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職業別・投資戦略

離婚時のペアローン|売却・借換えと財産分与

ペアローンが残る離婚で、売却代金から残債と費用を引く計算、単独借換えの確認、持分を渡す側の譲渡所得と受け取る側の扱いを分けて解説します。

離婚で「家は一人が引き継ぐ」と合意しても、二人の住宅ローンや保証責任が自動的に一本になるわけではありません。住む人、所有する人、返済義務を負う人を別々に確認し、売却で清算する案と単独で借り換える案を比べます。税務は財産を渡す側と受け取る側で異なります。2026年9月6日に銀行・国税庁の説明を確認した一般的な整理です。

ペアローンの契約書と住宅持分と売却査定を相談担当者と確認する二人

持分・債務・保証を三つの欄へ分ける

三井住友銀行のペアローンの説明では、夫婦等がそれぞれ債務者となる二本のローンで、お互いが相手のローンの連帯保証人となる仕組みを示しています。連帯債務型の一本のローンとは異なるため、契約書の借主名と保証人欄から確認します。契約による違いもあり、名称だけで責任範囲を決めないようにします。

書類から確認する項目具体的に書く内容
登記事項証明書所有者と持分、抵当権の内容
二本の返済予定表各人の残高、返済額、金利、完済日
契約書・保証契約債務者、連帯保証人、変更時の手続き
家計と協議内容住む人、負担する人、清算の希望

所有持分が半分ずつでも、現在の残高が同額とは限りません。頭金、繰上返済、借入期間の違いがあるためです。夫婦間で「今後は一人が全部払う」と決めることと、金融機関に対する債務や保証から外れることは区別し、金融機関が認める変更方法と条件を確認します。相手の支払を前提にした約束だけでは契約上の関係を解消できません。

売却額から二本の残高と費用を引く

仮にAの残債2,500万円、Bの残債1,800万円、仲介・登記・返済等の売却費用を合計200万円とします。以下は譲渡所得税を含まない清算前の資金計算です。実際の費用は売却価格や契約で変わるため、200万円は一定額に置いた比較用の仮定です。

仮定の売却価格売却価格−費用200万円−残債4,300万円意味
4,800万円300万円税や追加費用・配分の確認へ進む
4,500万円0円二本の返済で資金が残らない
4,000万円−500万円完済には別途500万円が必要

三井住友銀行の保証人に関する説明も、売却代金と自己資金で完済できなければ返済が残ることを示しています。査定額は売買契約の確定価格ではありません。低い価格でも清算できるか、手付金の受領時と残代金決済時に必要なお金がどう動くかを確認します。

300万円残る場合でも、自動的に150万円ずつ受け取れるという計算ではありません。持分、取得資金、これまでの負担、他の財産や合意内容等の確認が残ります。またローンを完済した後の手残りと、税務上の譲渡益は別です。ローン返済額をそのまま譲渡所得の経費として引くことはできません。

一人が住むなら借換え可能額から逆算する

一人が住み続ける案では、二本の残債をどう返すか、新しい借主の返済能力、持分の移転、保証解除、抵当権の抹消・設定を同時に調整します。「名義を変えるだけ」で処理できると考えず、現在の金融機関と借換え先へ、離婚に伴う引継ぎであることを伝えて確認します。

仮に残債合計4,300万円、借換え諸費用100万円、自己資金200万円なら、計算上必要な調達額は4,200万円です。これは借りられる額ではありません。新しい借主が4,200万円の審査を通るか、費用を融資対象にできるか、物件評価や用途の条件を満たすかは別に判断されます。

審査前に相手の持分だけを移したり、保証解除を前提に退去日を固定したりすると、合意と融資実行の条件がかみ合わなくなります。承認条件を確認してから、登記・旧債務の返済・新規融資をどの日に連動させるか整理します。住み続ける人の家計には、住宅ローンだけでなく固定資産税、管理費、修繕積立金、保険と将来の修繕も入れます。

財産分与は渡す側の譲渡所得も調べる

国税庁No.3114では、離婚による財産分与で土地建物を渡した人には譲渡所得の課税関係が生じ、その時の時価を収入金額とします。現金を受け取らずに持分を渡す場合にも、「お金が入らないから税金はない」とは限りません。

仮に渡す持分の時価2,000万円、その持分に対応する取得費1,500万円、譲渡費用50万円なら、特別控除等を適用する前の譲渡益は450万円です。取得費の1,500万円は建物の減価償却等を反映した仮定で、単に購入時の代金をそのまま入れる例ではありません。居住用財産の特例や移転時期の条件は別途確認するため、ここでは税額を計算しません。

受け取る側は、原則として財産分与の日に、その時価で取得した扱いになり、将来の売却時の取得費や所有期間の確認に関わります。元の売買契約書だけでなく、分与時の時価を説明する資料と移転日を残します。

国税庁No.4414は、離婚の財産分与では通常贈与税はかからない一方、過大な部分や租税回避を目的とする離婚には例外があると説明しています。「受取人に通常贈与税がない」という説明を、渡す人の譲渡所得も含めて無税と読み替えないことが重要です。

合意書を固める前に資金と手続きを接続する

最初に二人分の残高資料と登記、査定をそろえ、売却・単独借換えそれぞれの不足額を算出します。次に金融機関へ条件変更や完済・保証解除の条件を確認し、税務の見積りを入れます。その結果を踏まえて、専門家と合意内容と実行日を詰める順序が現実的です。

合意事項は最終的な配分だけでは足りません。売却までの返済・管理費を誰が払うか、査定より安くなった場合の不足額をどう用意するか、借換え審査が成立しなかった場合に次の案へどう移るかも必要です。契約締結、融資実行、登記、退去の日がずれるため、その間の支払口座も決めます。

判断の中心は、希望する住み方が、金融機関の契約と実際の現金に裏付けられているかです。売却の手残りが小さいなら不足への備えを先にし、引継ぎを考えるなら一人の収入で住居費全体を払えるかを見ます。税金や登記を最後の事務手続きとせず、案を選ぶ時点の費用に含めると、合意後の行き詰まりを減らせます。

共有のまま一人だけが住み続ける暫定案では、当面の支払だけでなく、将来売却する場合の意思決定と資料の保管も決めます。連絡が取りづらくなった後に、売却価格や修繕負担で再び合意が必要になることがあります。合意書があるから金融機関への連絡は不要とせず、退去や居住状況の変更が契約条件へ与える影響も確認します。希望する清算方法が不成立だった場合の期限と次の選択肢まで定めることが、保留状態を長引かせないための実務です。

参考情報

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本記事は情報提供を目的とした一般的な解説であり、投資助言ではありません。 記載内容は執筆時点の情報です。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。 詳しくは投資情報に関する免責事項をご確認ください。