メインコンテンツへスキップ
投資の基礎

金ETFの為替ヘッジ|424Aと425Aの値動きを比較

同じ金現物へ投資する424A・425Aのヘッジ方針を比較。金が10%上がっても円高で損する例、ヘッジ費用、取引通貨と基準価額の違いを計算します。

為替ヘッジありとなしの金ETFの目論見書と費用を比較する分析担当者

確認時点:2026年9月6日

金ETFを円で買っても、為替の影響がなくなるわけではありません。円での成果は、米ドル建て金価格とドル円、ヘッジ取引、商品内の費用を通じて決まります。ここでは2026年9月6日に公式ページで確認したグローバルXの424Aと425Aを、同じ金への投資でも何が違うかを知るための比較例にします。両商品の将来の優劣や、現在の金価格・為替を予測する記事ではありません。

424Aと425Aは同じ投資先でもヘッジの有無が違う

424Aの公式情報では、オーストラリア上場のGlobal X Gold Bullion ETF(GXLD)へ主に投資し、実質的な金現物への投資を目指します。金を米ドル建て資産とみなして米ドル売り・円買いのヘッジ取引を行う点が特徴です。425Aの公式情報と併せて、名称の一部ではなく運用方針を比較します。

項目424A425A
為替ヘッジ米ドル売り・円買いで変動低減を図る為替ヘッジなし
主な実質投資対象金現物金現物
円での成果を動かす要素金価格、ヘッジ損益・費用、運用費用金価格、ドル円、運用費用
残る変動金価格自体の上下は残る金価格と為替の両方が動く

投資先ETFが豪州市場で売買されることと、金の経済的な価格を米ドル建てとして扱うことは別です。上場市場の国や注文画面の決済通貨だけから、豪ドルへの投資だと判断しないようにします。現物の金地金を自宅で持つ場合とも、保管・売買・税務の仕組みは異なります。

金10%上昇と円高10%は、足してゼロにならない

以下は両商品の実績ではなく、費用と指数への乖離を除いたヘッジなしモデルです。円で100万円を投資したと仮定すると、期末評価額は100万円×金価格の倍率×ドル円の倍率で計算します。ドル円が150円から135円になると、円換算の倍率は0.9です。

ドル建て金価格ドル円の変化ヘッジなしの計算円での変化
10%上昇10%円高1.10×0.90=0.99−1%
10%上昇10%円安1.10×1.10=1.21+21%
10%下落10%円安0.90×1.10=0.99−1%
10%下落10%円高0.90×0.90=0.81−19%

金が上がったニュースを見ても、円のETFが同じ割合で上がるとは限りません。反対に金が下がっていても、円安が下落の一部を相殺する場合があります。掛け算なので「金が10%上がり為替が10%逆に動けば相殺」という足し算は正確ではありません。

為替変動を完全に相殺でき、ヘッジ費用もゼロという理想的なモデルなら、ヘッジありは金10%上昇に対して約10%上昇になります。ただし実際にはヘッジする金額の見直し、現金保有、費用、価格評価時点などでこの数字からずれます。

ヘッジ費用は信託報酬と別で、固定料金ではない

424Aの交付目論見書では為替ヘッジの方針とリスクを確認できます。米ドルを売って円を買う為替予約の条件には通貨間の金利差などが反映されます。一般に米ドル金利が円金利より高い場合には負担になりやすい一方、その差は将来も一定ではありません。信託報酬の年率だけが保有中の費用総額ではない点が大切です。

仮に金価格が年10%上昇し、ヘッジ関連の負担を年3%相当と単純化すると、100万円×1.10×0.97=106万7,000円です。約6.7%の増加となり、ここから別途の運用費用などを考えます。この3%は実際の424Aの費用でも、現在の金利差でもありません。実際のヘッジは期中に継続して行うため、計算はあくまで感応度を見る近似です。

金価格が横ばいのときは、同じ仮定なら約3万円の負担が目立ちます。そこで「円高を防ぐ保険料は年間3万円」と固定して予算化するのも不正確です。費用とヘッジ効果が基準価額へ反映されるため、月次報告の騰落率を比較するときに、すでに含まれた負担をもう一度引かないようにします。

売買価格差と基準価額の時点をそろえて比べる

ETFには投資家が売買する市場価格と、保有資産から計算する基準価額があります。取引時間や休日が違う海外資産を含むため、画面に並ぶ「今日の株価」と「基準価額」の基準時点をそろえます。前日の基準価額との差だけを見て、必ず割高・割安が解消すると判断しないことが必要です。

例えば一口の買い気配1,995円、売り気配2,005円の架空のETFを100口買い、すぐ売ると、相場が動かなくても20万500円から19万9,500円となり1,000円減ります。売買手数料ゼロでも価格差は残ります。費用年率が0.1ポイント違う場合、20万円に対する差は年間200円程度ですから、短期の売買では注文条件の差が年率費用差より大きいことがあります。

424Aと425Aを比べる際も、一口の価格をそのまま比べて安い方が割安とは言えません。同額で買える口数、最低売買単位、注文の気配、投資先ETFを含めた費用を確認します。金先物を利用する別商品なら限月の乗換えも加わるため、名前が「金ETF」であるだけで同じ構造にはなりません。

金を持つ目的を決めてから、円高と円安の両方を試す

想定する条件ヘッジありで見る点ヘッジなしで見る点
金高・円高金の上昇を残せるか、費用はいくらか金高が円高に相殺される幅
金横ばい・為替横ばいヘッジ負担と運用費用運用費用と売買価格差
金安・円安金下落を直接受けやすい円安がどこまで相殺するか

円の生活費のために持つのか、すでに米国株などで多く持っているドルへの依存を増やさず金を加えたいのかで、比較すべき結果は変わります。ヘッジなしは円安時の円換算額を増やす方向に働きますが、円高時には逆になります。片方だけの為替シナリオで組み合わせを決めると、目的とリスクがずれやすくなります。

仮に資産1,000万円のうち金ETFが100万円なら、金ETF部分の円評価額が19%下落した影響は19万円、全体の1.9%です。他の資産が同時に下落する場合は別に足します。「金は安全資産」という呼び名だけで金価格を固定して考えず、保有額と組み合わせた損失額で判断します。

比較記録には商品コード、ヘッジ方針、対象指数、基準日、運用費用、売買価格差を残します。現物の金貨・地金との費用差は金貨と地金の売買価格差で別に整理しています。

参考情報

3件

為替・暗号資産・レバレッジ商品は価格変動が大きく、元本割れや元本を上回る損失が発生する場合があります。 本記事は購入・売却を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。 詳しくは投資情報に関する免責事項をご確認ください。