銀行株は「利上げなら上がる」と単純化できません。貸出金利の上昇速度、預金金利、貸出需要、債券ポートフォリオ、信用コストが利益を決めます。
MUFGは海外事業の比重もあるため、日銀だけでなく米国金利、為替、アジア投資の損益も分けます。
事実と次の確認項目
| 項目 | プラスになり得る状態 | 反対材料 |
|---|---|---|
| 国内金利 | 貸出利回りが預金コスト以上に上昇 | 預金獲得競争と貸出減 |
| 与信費用 | 低位で安定 | 企業倒産・海外景気悪化 |
| 有価証券 | 利息収入増 | 債券評価損・売却損 |
| 資本還元 | CET1余力と利益成長 | 規制資本・大型投資 |
| 需給 | 初値・VWAP上、出来高増 | 寄り天・VWAP下 |
利上げ効果を純資金利益と信用コストに分ける
政策金利が上がっても、貸出利回りの上昇が預金金利の上昇を上回らなければ、利ざや改善は限定されます。国内貸出残高と預金構成も確認します。
景気減速局面では金利収益が増えても、貸倒引当や海外投資損失で相殺されることがあります。利益の質を確認するには与信費用が欠かせません。
株価が上がりやすくなる条件
材料が業績と需給の両方へつながる状態を確認します。
- 国内貸出残高と預貸利ざやが同時に改善する
- 預金コストの上昇が想定範囲に収まる
- 与信費用が会社計画以下で推移する
- 海外事業と手数料収入が安定する
- CET1比率を保ちながら配当・自社株買いを継続する
買わない理由と下落条件
強気材料に迎合せず、反対材料を先に点検します。
- 利上げ期待がすでに株価へ織り込まれている
- 預金金利競争で利ざや改善が弱い
- 企業倒産増加で与信費用が膨らむ
- 国内外の債券評価損が増える
- 米国景気減速やアジア投資の損失が発生する
- 規制資本の積み増しで還元余地が縮む
- 決算後に初値・VWAPを割る
8月3日1Qで確認する順序
リアルタイム価格と予定株数がないため、エントリー価格、損切り価格、最大損失は算出不可です。
| 確認対象 | 見る項目 | 扱い |
|---|---|---|
| 収益 | 純資金利益と預貸利ざや | 両方改善ならB+ |
| リスク | 与信費用と不良債権 | 増加ならC |
| 資本 | CET1比率と還元 | 余力維持なら評価 |
| 需給 | 初値・VWAP・出来高 | 維持でA候補 |
| 無効条件 | 大型損失・還元撤回 | D再評価 |
上昇・横ばい・下落の3シナリオ
| 見方 | 想定 | 確認すること |
|---|---|---|
| 上昇 | 利ざや改善と低い与信費用が両立 | 純資金利益、信用コスト |
| 横ばい | 金利収益増を費用が相殺 | 預金コストと経費 |
| 下落 | 与信費用・評価損が増加 | 計画修正と資本比率 |
根拠から分かること
利上げそのものではなく、純資金利益から信用コストを差し引いた改善を確認します。
1Q前は金利期待への追随を避け、【B:監視継続】とします。
次の決算で確認すること
- 国内預貸利ざやと貸出残高
- 預金コスト
- 与信費用と不良債権
- CET1比率、還元、決算後需給
あわせて確認する記事
同じ判断を別の角度から確認するため、以下の記事もあわせて読むと、金利、物価、税金、制度の見落としを減らしやすくなります。
参考情報
4件- IR情報・第1四半期決算予定 (新しいタブで開く) 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 財務情報・決算資料 (新しいタブで開く) 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 適時開示情報閲覧サービス (新しいタブで開く) 東京証券取引所