翌朝の日本株を読むうえで、最も時刻が明確な国内イベントは8時50分の貿易統計です。ただし、貿易赤字なら株安、黒字なら株高という単純な関係ではありません。
為替、原油、米国市場、先物、業種別気配をつなぎ、どの企業の売上・コストへ影響するかを整理します。
事実と未取得データを分けて確認
| 材料 | 主に確認する内容 | 影響を受けやすい分野 |
|---|---|---|
| 貿易統計 | 予想差、輸出入数量、地域・品目 | 自動車、機械、商社、海運 |
| ドル円 | 発表前後の変化と速度 | 輸出、輸入、内需 |
| 原油 | 価格水準と急変 | 鉱業、石油、航空、電力、化学 |
| 米国市場 | S&P500、NASDAQ、SOX | 大型株、半導体、グロース |
| 寄り前気配 | ギャップ、成行、特別気配 | 最終的な個別候補 |
8時50分の貿易統計で最初に見る項目
財務省の週間予定では、6月分と2026年上半期分の貿易統計が7月22日8時50分に予定されています。速報値の輸出額・輸入額・差引額に加え、数量指数と地域・品目別の内訳を確認します。
金額は為替や価格で増えるため、輸出額の増加だけで実需が強いとは限りません。自動車、半導体等製造装置、鉱物性燃料など、株式市場と関係の深い品目を分けます。
ドル円・原油から日本株へ波及する経路
円安は海外売上の円換算額を押し上げる一方、輸入原材料、燃料、食品のコストを増やします。企業ごとの海外生産比率、為替予約、価格転嫁で影響は異なります。
原油高はINPEXなど資源開発企業の販売価格に追い風になり得ますが、航空、陸運、電力、化学、紙・パルプではコスト上昇要因になります。
| 変化 | 追い風になり得る分野 | 逆風になり得る分野 |
|---|---|---|
| 円安 | 海外売上の大きい輸出企業 | 輸入比率の高い内需企業 |
| 円高 | 輸入・燃料コスト型企業 | 円換算利益の大きい輸出企業 |
| 原油高 | 鉱業・資源開発 | 航空・運輸・電力・素材 |
| 原油安 | 燃料消費型企業 | 資源開発・石油上流 |
市場レジームの暫定判定方法
記事作成時点では7月22日の米国終値、先物、ドル円、原油、寄り前気配を一括取得できていません。そのためリスクオン・オフを断定しません。
- S&P500、NASDAQ、SOXが同方向か
- ドル円の変化が緩やかか急変か
- 原油高が需要増か供給不安か
- 日経平均先物とTOPIX先物の方向が一致するか
- 大型株だけでなく業種別気配へ広がっているか
8時30分から9時以降の確認順序
データを取得できる環境では次の順番で更新します。取得できない項目は推測せず「取得不可」とします。
| 時刻 | 確認項目 | 判断 |
|---|---|---|
| 8:30~8:49 | 米国市場、原油、ドル円、先物 | 暫定レジーム |
| 8:50 | 貿易統計と市場予想差 | 輸出・輸入セクターへの波及 |
| 8:50~8:55 | 気配、成行、ギャップ、特別気配 | 候補の絞り込み |
| 9:00以降 | 初値、高安、VWAP、出来高 | A~Dの最終評価 |
| 大引け後 | 5分・30分・前場・終値 | 検証データとして保存 |
上昇・横ばい・下落の3シナリオ
| 見方 | 想定 | 確認すること |
|---|---|---|
| 輸出優位 | 輸出数量が強く、円安が急変ではない | 自動車・機械の気配とVWAP |
| 資源優位 | 原油高と資源株高が一致 | INPEX・鉱業セクター |
| リスクオフ | 供給不安の原油高、円高、先物安が重なる | 高ベータ株の初値割れ |
根拠から分かること
貿易統計は翌朝の明確なイベントですが、単独で売買方向を決める指標ではありません。
マクロ、セクター、個別材料、寄り付き後の需給を順番に接続して判断します。
次の決算で確認すること
- 8時50分の輸出入額と数量
- ドル円・原油の発表前後の変化
- 米国3指数とSOX
- 気配・初値・VWAP・出来高
あわせて確認する記事
同じ判断を別の角度から確認するため、以下の記事もあわせて読むと、金利、物価、税金、制度の見落としを減らしやすくなります。
参考情報
4件- 貿易統計 公表予定 (新しいタブで開く) 財務省関税局
- 石油備蓄の現況 (新しいタブで開く) 資源エネルギー庁