老後資金を考えるとき、最初に確認したいのは自分の年金見込額です。ねんきんネットでは、年金記録や将来の年金見込額を確認できるため、退職後の家計表を作る入口になります。
ただし、年金見込額だけを見て足りるかどうかを判断すると、住居費、医療・介護費、物価上昇、配偶者の年金、退職金の使い方を見落としやすくなります。月額ではなく年額で、収入と支出を並べることが重要です。
比較表
| 確認項目 | 見る資料 | 家計での使い方 |
|---|---|---|
| 年金見込額 | ねんきんネット、ねんきん定期便 | 退職後の毎月収入として置く |
| 生活費 | 家計簿、家計調査 | 固定費と変動費に分ける |
| 退職金 | 会社規程、退職金見込書 | 一時金として何年分の不足を補えるか見る |
| 運用資産 | NISA、課税口座、預金 | 短期資金と長期資金を分ける |
年金見込額は月額ではなく年額で見る
ねんきんネットで見込額を確認したら、まず12倍して年額にします。老後の支出は固定資産税、保険料、医療費、帰省費、家電買い替えなど年単位で出るものが多いため、月額だけでは不足を見落としやすいからです。
夫婦世帯では、本人と配偶者の年金開始年齢がずれる場合があります。片方の退職が早い、厚生年金期間が短い、企業年金がある場合は、年齢別に収入表を作ります。
| 年齢帯 | 確認する収入 | 注意点 |
|---|---|---|
| 60歳から64歳 | 給与、退職金、企業年金、預金 | 公的年金開始前の空白期間を確認する |
| 65歳以降 | 公的年金、企業年金、運用資産 | 物価上昇と医療費を見込む |
| 75歳以降 | 年金、預金、保険、介護費 | 住まいと介護の支出を分ける |
老後支出は最低生活費とゆとり費に分ける
支出は、住居費、食費、光熱費、通信費、医療費、保険料、税・社会保険料、交際費に分けます。持ち家でも固定資産税、修繕費、マンション管理費が残る場合があります。
旅行や趣味をすべて削る前提にすると実生活から離れます。最低生活費とゆとり費を分けると、どの支出を年金でまかない、どこを退職金や運用資産で補うか判断しやすくなります。
NISAや退職金は取り崩し順を決めておく
老後資金では、投資額を増やすことより、いつどの資産を使うかが重要になります。生活費1年から2年分の現金、数年内に使う預金、長期運用資産を分けておくと、相場下落時に売却を急ぐ必要が減ります。
退職金を一括で投資に回すかどうかは、税金、住宅ローン残高、医療・介護の予備費、配偶者の収入によって変わります。短期資金と長期資金を混ぜないことが出発点です。
年1回は年金記録と家計表を更新する
年金見込額は、働き方、給与、加入記録によって変わります。転職、退職、扶養変更、海外勤務、個人事業への転換があった場合は、年金記録に抜けがないか確認します。
家計表も一度作って終わりではありません。物価、医療費、保険、住宅修繕、親の介護などが変われば、不足額も変わります。毎年同じ時期に更新すると、早めに対策を取りやすくなります。
3つの見方
| 見方 | 想定 | 確認すること |
|---|---|---|
| 強気 | 公式統計を見て早めに支出と貯蓄額を調整できる | 月額、年額、臨時費用を分けて家計表に落とす |
| 中立 | 影響はあるが、家庭ごとの契約、収入、支出構成で負担が変わる | 平均値を自分の契約額や手取り額に置き換える |
| 弱気 | 物価や金利の上昇が重なり、生活防衛資金を削りやすい | 短期資金、教育費、住宅費を投資資金と混ぜない |
根拠から分かること
年金見込額は老後資金を考える入口です。生活費、住居費、医療・介護費、退職金、運用資産を分けて、不足額を年額で確認します。
ねんきんネットは老後資金の入口ですが、見込額だけで判断すると支出側の変化を見落としやすくなります。
年金、退職金、預金、NISA、生活費を年額で並べると、不足額と確認すべき対策が見えやすくなります。
次に確認すること
- ねんきんネットで見込額と加入記録を確認したか
- 年金見込額を年額に直したか
- 固定費とゆとり費を分けたか
- 退職金とNISAの取り崩し順を決めたか
- 年1回更新する日を決めたか
あわせて確認する記事
同じ判断を別の角度から確認するため、以下の記事もあわせて読むと、金利、物価、税金、制度の見落としを減らしやすくなります。
参考情報
4件- ねんきんネット (新しいタブで開く) 日本年金機構
- 家計調査 (新しいタブで開く) 総務省統計局